もしも雨樋がなかったら?
雨水が屋根から直接落ちてしまうと、屋根の淵に伝って軒下を痛めたり、外壁を伝って壁の隙間に入り込み家を腐らせたり。。。
さらに内部に侵入し、木造部分が水に濡れると腐りシロアリが発生するなど、水や湿気はあらゆる建物にとって脅威となります。
その他にも家の周りに直接屋根から落下する事によって泥はねによりお家やご近所を汚したり床下に雨水が入り込むと、カビやアレルギーの原因となる事もあります。
雨樋は、水がおうちにダメージを与えないよう、屋根から地面へ適切に排水を行う、おうちの守りがみなんです。
- カビはなぜ発生するのか?
カビは空気中に常に存在しております。カビは微生物の一種で実は空気中に常に存在しており私たちの周りを浮遊しております。統計によると空気中1㎥あたり80前後のカビ菌が漂っているという結果があります。
- カビはなぜ増えるの?
カビ菌は空気中を漂ってなにかに付着した際、適当な水分や温度条件が揃うと出芽し、菌糸を伸ばして増殖し始めます。ここで登場するのが「水分」です。
- 雨樋(あまどい)がカビに対してどのような役割を果たすの?
雨水が屋根を伝い外壁を伝って隙間に入り込んだ場合・または地面に落下して床下に入り込んだ場合その水はやがて蒸発して湿気を生み、人々が住んでいる住居は温かい環境なので「湿気+温度」+カビ菌という構図が生まれてきます。
例えばですが食器を使った際に油汚れなどが残るとします。
そうした場合は洗剤で擦ったら汚れが落ちますよね?でもカビは塩素などで漂白しても「根」がありますので完全に死滅しないで残る事があります。お風呂場などで一度発生したカビなどは洗っても洗っても繰り返し発生する原因は「根」が死滅しない事にあります。
たとえ話で「食器」を例にしましたがこれが家屋の内部、壁の中、床下、畳の下、天井裏など見えない場所で発生した場合はどうしますか?
もうこうなってしまうとカビを排除する事は難しくなってしまいます。しかしカビも自然の生き物なので湿気がなくなればカビは活性せず衰えていき胞子を大量に排出し続ける事は無くなるのです。
雨樋って実はすごいやつなんです!
- 雨樋(あまどい)が無いとなぜシロアリが発生しやすくなるの?
シロアリは温かく・湿度が高く・餌が豊富にあり・外敵がいない気温10度以上の温かい環境で活発に活動します。気温の低い冬でも人間が暮らしている住宅は床下もある程度暖められておりシロアリは変わらず活動しております。
シロアリは湿った木材を好んで食害するので雨水を屋根から直接地面に落下させて家の周りをびちゃびちゃにする事はよくない事だという事です。
屋根からの雨水を排水路にスムーズに排水する事は大切なお家を守る事にもつながるのです。
家の周りにシロアリなんて見たことないけどうちは大丈夫じゃないの?
シロアリはイエシロアリまたはヤマトシロアリ・近年数が増えつつある、アメリカカンザイシロアリという外来種のシロアリがいます。日本の固有種のシロアリはえさ場を見つけるとフェロモンを発して餌の存在を仲間に知らせて数百匹の大群でお家を食害します。
外来種のアメリカカンザイシロアリは輸入品の家具(タンス・ピアノなどの木製品)に住み着いていることがあります。
現在日本の木材は輸入木材が多く家具などの木製品以外にも外来シロアリが入ってくる事はあるようです。
シロアリを発生させないために雨樋(あまどい)が縁の下の力持ちとしての役割を担っているのです。
- 雨樋(あまどい)が壊れたままだとどうなるの?
お写真のように、あまどいが壊れると、軒下などを中心に、お家自体がダメージを受けてしまいます。あまどいの大切さがわかりますね。こうなってしまう前に、お早目に修理をしましょう。
あまどいの素材
現在主に使われてる素材は塩化ビニールと呼ばれる合成樹脂が使われております。
耐久性・柔軟性・難燃性・耐油性・耐薬品性などの優れた特徴があり水道の配管などにも使われる程メジャーな存在です。
ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムというメッキ層をまとった鉄の事です。
つまりメッキされた鉄です。現在よく使われてるのが外壁や道路を走っていると至る所にあるガードレール・金属製の電信柱など過酷な環境下でも使われることがある製品です。
故に強さはお墨付きとも言えます。
こちらはみなさんもご存じの金属たちです。
銅は取り付け後はピカピカでまばゆい光を発します。しかし経年により酸化して銅錆色に変化していきます。それはそれで風情が感じられるものでもあります。
銅・アルミニウム・ステンレスも価格が高いのであまり使われてるお家が少ないのは現状です。
あまどいの形のこと
雨樋の形についてですが丸い形の製品と四角い形の物の2種類が存在しております。丸い樋は築20年以上前の住宅によく設置されております。現在は四角いタイプが主流になりつつあります。
どちらがよいかはコストで言うと丸いほうが安いです。排水性能に関しましては排水性能は四角いほうが高いという方もおられますが四角いから排水能力が高い!というのは疑問ではあります。四角であろうが丸であろうがしっかりと勾配をつけて設置を行えば排水性能は十分に担保されて流れていきますのでご安心下さい。
強度に関しては四角い製品の中にアイアンシリーズと言って中に金属が埋め込まれているタイプがあります。その製品は強度がありますが金属が埋まってないタイプよりは値段が高くなります。雨樋の素材の説明にも記載させて頂きましたがガルバリウム鋼板や、銅・アルミニウム・ステンレスなどの金属鋼板にすれば強度は勿論上がりますが価格も一緒に上がりますので注意が必要です。
「縦どい」と「軒どい」って?
雨樋の部品の名称で竪樋(たてどい)軒樋(のきどい)集水器など様々なパーツから雨樋が構成されております。
竪樋(たてどい)とは?
簡単に説明すると住宅に対して縦に設置してある樋の事を竪樋と呼びます。
軒樋(のきどい)とは?
軒樋とは横樋(よこどい・よことい)とも呼ばれて軒下に設置されている横に走る樋の事を指します。呼び方はどれでも構いません。
集水器とは?
集水器とは軒樋と竪樋をつなぐ部分に設置されている物で主に軒樋から水を集めて竪樋へ水を送る役割を担っております。集水器には落ち葉などが溜まらないようにするネットなどがあったりします。
ただしネットを取り付けると竪樋への詰まりの防止にはなりますが集水器の定期的なメンテナンス(掃除)などが必要になってきますのであった方が良いのか無いほうが良いのか意見が分かれるところでは有ります。 個人的には近くに大きな木があり落ち葉が大量に降り注ぐような場所でない限りは無くてもいいのではないかと考えております。
〒931-8333
富山市蓮町1-1-77
TEL 0764-60-0245
営業時間 9:00 ~ 18:00 (年中無休)